知ると楽しい 神社の見どころ ① 神社参拝 

神社を神道宗教の場所と考えず、昔からの太陽、風、雨、雪など人力ではどうしようもない、また目に見えないものは神のお力と自然崇拝してきました。昔は山や木や天を拝み、それが、祭場や人が集まる場となり神様がいる場所「神の社」の始まりと言われています。
日本に約8万1000社あると言われる神社。コンビニが5万8000店(2020年9月)ということなのでコンビニの倍近い数あるということにびっくり。
今回は、神社参拝にお役立てブログ書きます。

このコロナで海外渡航はバッタリなくなりました。
国内登山とセットで欠かせないのは「温泉」ですね。各地に名湯があり楽しみの一つです。
そして、山と神社も縁がありますね。
登山口が神社だったり、山自体が、御神体だったり、山頂に奥の院があったり、移動途中に大きな鳥居があってその地区で一番大きな神社だったり、由緒ある神宮だったりと!これからは素通りせず、時間が少しあれば立ち寄ってみましょう。
また皆さんが神社や神様のことをもうちょっと知っていただくためと、見どころなどブログにします。
また、家系が神宮宮司ということもありいろいろ勉強神社参拝だけでなく神社の見どころなど、聞いたことも書きますね。

鳥居

神社の入り口に必ずある「鳥居」
この世と聖地の境とされています。
神社に参拝予定なくても、遠くから大きな鳥居が見えたり、道路通っているだけで、鳥居をくぐったりしますもんね。

鳥居の由来は、いつくかあるみたいですが、私的に「なるほどー」と思った2つ紹介しましょう
①神話説:天照大神(あまてらすおおみかみ)の弟の素戔鳴尊(すさのおうのみこと)が高天原で暴れたり周りに迷惑かけまくっているにの困って、終いには天の岩戸に隠れてしまいました。
天照大神が隠れるということは、この世から太陽が隠れるということなので世の中は真っ暗になり、それに困り果てた八百万の神々がどうにかして天照大神を天岩戸から誘い出すためにいつくかの案を考えました。その一つが「常世の長鳴鳥(とこよのながなきどり)」を天岩戸の前の木に止め鳴かせました。
その常世長鳴鳥が止まっていた木が、「神(神殿)の前に鳥が居た」ということから神域と人間が住む地の結界の象徴として「鳥居」と呼ぶようになった説。
※ちなみに常世の長鳴鳥って書くと、すごい神秘的な天の鳥って想像しちゃいますが、鶏のことです(笑)。
②海外の建築物伝来説:インドや中国、韓国の建築シンボルである家や建物の前に、内と外を区分けするための「門」がモデル。神域へ通り入る(とおりいる)が起源という説。

鳥居の通り方

通常、真ん中は神様の道と言われていますので、ど真ん中を歩くのはやめましょう。
鳥居を通る際は、手前か真下にて軽く「一礼」しましょう。
鳥居が1基だけでなく二之鳥居、三之鳥居といくつもある神社もあります。
※また参拝後の帰る際も鳥居を通った際は振り返って軽く「一礼」しましょう。

鳥居の種類

各神宮・神社で鳥居の作り、大きさ、色、様々です。
何気なく通っている鳥居もよく見てみると、違いがわかり興味深いですよ。
1基しかない神社から、10,000基まである神社まで!
鳥居のタイプは大きく分けると2つ!
明神鳥居と神明鳥居

鳥居の各部位名称

鳥居

明神鳥居(みょうじんとりい)

装飾的な構造で、最上部は笠木(かさぎ)と島木(しまぎ)とから成る二層構造。また、笠木の両端が反り上がった鳥居が多いです。
中央には、「扁額(へんがく)」などの社名が示されていることがよくあります。扁額の裏には島木と貫の間に「額束(がくつか)」があり社紋や祀る御神体の印などが見られたりします。

霧島東神社に見られるような、柱にさらに支えがあるような「控え柱(ひかえばしら)」が装飾されている重厚な鳥居もあります。

神明鳥居(しんめいとりい)

明神鳥居に比べ、非常にシンプルな鳥居構造。
最上部が「笠木(かさぎ)」一本(笠木の下支え的な「島木(しまぎ)」はありません)と、下に貫(ぬき)で成り立っております。そして、一般的には貫が柱を突き抜けていません。
直線・直角的で、笠木・貫・柱のいずれも円形のものを使用されていることが多いです。

霧島神宮 

鳥居のナンバーワン!

鳥居の数

10,000基以上:伏見稲荷大社(京都府) 千本鳥居
名前は千本鳥居ですが、数は万本鳥居。 明神鳥居

千本鳥居

大きさ

熊野本宮大社(和歌山県和歌山市) 大鳥居
高さ33.9m 鉄筋コンクリート製 明神鳥居

熊野大社のHPより

扁額

弥彦神社(新潟県西蒲原郡弥彦村) 大鳥居
扁額の大きさはなんと畳12枚分 明神鳥居

彌彦神社HPより

耐久性

鹿嶋神社(兵庫県高砂市) 大鳥居
チタン製・耐久性は1500年! 高さ26m 明神鳥居控え柱

鹿嶋神社HPより

重さ&耐震性

大神神社 おおみわ(奈良県桜井市) 大鳥居
耐候性鋼板 総重量180トン!高さ32.2m 明神鳥居
マグニチュード10の地震にも耐えられる構造。 

大神神社HPより

木造鳥居として最大

北口本宮冨士浅間神社(山梨県富士吉田市) 大鳥居
木造両部鳥居・高さ18m・幅11m  明神鳥居控え柱
1954年(昭和29年)建造。

大鳥居のライトアップ

石造鳥居として最大

茅部神社 かやべ(岡山県真庭市)
石製明神鳥居・高さ13m・1863年建造。

岡山観光HPより

日本三大鳥居

厳島神社(広島県廿日市市) 朱の大鳥居
木造鳥居・高さ16.6m。・1875年(明治8年)建造 明神鳥居控え柱
主柱には楠の自然木、控柱には杉。鳥居は埋めているのではなく千本杭の上に置かれている。

宮島観光HPより
現在修復中(2021年)

氣比神宮(福井県敦賀市)
木造朱塗鳥居・高さ10.93m。1645年建造。 明神鳥居控え柱

氣比神宮HPより

春日大社(奈良県奈良市) 一之鳥居
木造朱塗鳥居・高さ6.75m。1638年再建。 明神鳥居

奈良観光HPより

日本一小さな鳥居

粟島神社(熊本県熊本市)
石製 明神鳥居 

粟島神社 小鳥居

手水舎

白兎神社

①てみずしゃ、②てみずや、③ちょうずしゃ、④ちょうずや
読み方いろいろ

手水舎由来

古事記によると、黄泉の国から命からがらに戻ってきた伊邪那岐(イザナギ)神は、汚れた体を綺麗にするために『筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原』の川で「祓(みそぎ)」を行いました。

その際、3柱が生まれました。 ※神様の数え方は「柱」
天照大神(アマテラスオオミカミ)
月夜見尊(ツクヨミノミコト)
素戔鳴尊(スサノオノミコト)※須佐男命
ということが由来で、神聖な地に入る際に身体を清めるということが習慣化されたのでしょう。

伊勢神宮の御手洗場

実際に昔は神社の参拝前には川に入り、流れる河川の水や湧き水で身を清めるという「祓」を行ってから参拝していたとのこと
伊勢神宮の御手洗場などはその名残みたいですね。

現在は、川で祓をする行為を簡略化して、河川や湧き水のかわりに神社内に設けられた「手水舎」にて、参拝者の身体全部ではなく、手と口を清めて参拝へ向かうという習慣になっています。「心身の浄化」のために手水を行うことが大切なのです。

手水舎作法

右手で柄杓(ひしゃく)を取り、手水をすくう。その一杯の水で下記の6つを行う。
①その手水で最初に左手を清める。
②次に柄杓を左手に持ち替え、同様の動作で右手を清める。
③次に口をゆすぐためもう一度右手に柄杓を持ち替え、左の手のひらに手水を溜めて
 口に含む(柄杓の椀に直接口をつけない)。音を立てずに口をゆすいで清め、そっ
 と吐き出す。
④先の動作で左手をもう一度清める。
⑤最後に柄杓の柄を片手で持ち、椀部が上になるよう傾け、柄に手水をしたたらせて
 持っていた所を洗い流す。
⑥柄杓を元の位置に戻す。

ここで大切なのは手と口を清めることなので、順は多少間違っても問題ありません。手水は汚れを落とすというより、お清めの意味なのでゴシゴシと洗わなくて大丈夫です。

このコロナで手水舎での密回避や、柄杓の使いまわしを避けるため柄杓を置かない、水を溜めない、などコロナ対策神社も増えています。清め方は、手順不要で両手同時にできちゃいますね。

社殿

いよいよ神様の元へ。
ご祭神がいるところを「本殿」、本殿の前の参拝するところを「拝殿」と言います。
神社によっては「本殿」、「拝殿」の別に「幣殿(へいでん)」、「祭文殿(さいもんでん)」、「渡殿(わたりでん)」などがあります。
神社によっては、本殿のみだったり、幣殿や拝殿のみという神社もあります。神社内の建物は、神楽殿なども含めてすべてが「社殿」となります。

社殿がいっぱいある神社はさて!どこへお参り?
拝礼場所の目印の1つは賽銭箱です。
たくさんの神様をお祀りしている神社では、それぞれの拝殿に賽銭箱が置かれています。主祭神からの拝礼が一般的です。
なお、参道や鳥居をくぐる際は中央は避けてと言いましたが、拝礼の時は賽銭箱の中央に立っても大丈夫です。

本殿

神社の社殿で最も重要なものは本殿となります。
神霊を宿したご神体を安置する建物であり、神殿(しんでん)とも言います。
そもそもは自然そのものの神様を礼拝する習慣で、本殿と呼ばれる神様をお祀りする建物や神社自体必要ありませんでしたが、神社が出来、仏教伝来以降は、神社はご神体を常祭として祀るために本殿を造るようになったと言われています。基本、本殿の戸は閉まったままです。
また、端垣に囲まれていることが多く、本殿は見えず、屋根だけギリギリ見えるという神社も多々あります。本殿の裏に回れる神社もありますのでぜひ1周してみましょう。

拝殿

そのご神体を祭祀・拝礼を行うための社殿を拝殿といいます。
参拝者は拝殿前のお賽銭箱から祈ることになります。
基本、本殿と隣接され手前にありますが、本殿がなく拝殿のみの神社もあります。

幣殿と祭文殿

基本的に拝殿と本殿の中間の建物です。
神饌や旗などを、神様へ様々なものを捧げ、祭祀のために使われるのが一般的となっています。

渡殿は、本殿と拝殿などを繋ぐ廊下的な役割をした殿。

拝礼 順序&作法

軽く一礼して本殿に近づきお賽銭を入れる。

鈴があれば鳴らす。(1〜3回)

拝礼は「二拝 二拍手   一拝(二礼 二拍手 一礼)」です。
神社によっては異なる拝礼方法を行うところがあり、
出雲大社や宇佐神宮などでは拝礼は二拝四拍手一拝の作法で行います。

1.神様へ2回、丁寧にお辞儀(二拝)

2.胸前で両手を合わせ、右手を少し下に引いて、手を2回打つ(二拍手)
  ※拍手の作法を「柏手(かしわで)を打つ」お祓い・お清めの意味があります。
  ※指の節と節を合わせると「ふしあわせ」という説から右手を少し下に引く。

3.胸前で両手を合わせ、お祈り。

4.神様へお辞儀(一拝)
 
(お寺の場合は、柏手は打たず一礼合掌が基本となります。寺院にはすでに大仏様がおられて、常に私達を観ておられるので、音を鳴らす必要がないですね。神様へは、音(拍手や鈴の音)でお呼びする必要がありますという考えですかね)

多くの神社の拝殿の奥に、太陽を象徴とする鏡が祀られています。
①太陽神・「天照大御神(アマテラスオオミカミ)」を最上の神様としてお祀りしている。
②鏡で太陽の光を反射するのを正面からみると鏡が太陽のように光り輝いて見える。

天照大神が天孫・瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)に高天原から筑紫の日向の襲(くまそ)の髙千穂峰(たかちほのみね)に天降らせる際、渡した「三種の神器」の1つ八尺鏡がありましたね。
天照大神が「この鏡を私の御霊と考え、私自身を祀るように仕えなさい」と言われたことが由来の1つでしょう。

英彦山神宮・奉幣殿

昇殿参拝

拝殿内にて(神様の近く)御祈願を行う。
①受付にて初穂料を納め、所定の位置で待機して、拝殿へ上がって祈祷してもらう。
②修祓(しゅばつ)の儀 
 神様が来られる前に心身の罪穢(つみけがれ)をお祓いを受けます。
③祝詞奏上(のりとそうじょう)
 神主によってお願いごとの祝詞が奏上されます。
④玉串拝礼(たまぐしはいれい)
 祈願者は、玉串を神職より受け取り、拝礼します。

三種の神器

・八咫鏡(やたのかがみ) 伊勢神宮の内宮
・天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)※別名:草薙剣(くさなぎのつるぎ) 熱田神宮
・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)  皇居の「剣璽の間」
現代でも天皇の即位に際し、この三種の神器、「八尺瓊勾玉」「鏡」と「剣」を所持することが皇室の正統たる帝の証しであるとして、皇位継承と同時に継承されているのです。
天孫の瓊瓊杵尊が受け取ってより代々続いているということになりますね。
天孫降臨の瓊瓊杵尊のひ孫が初代天皇の神武天皇ですからね。

国学院博物館より

注連縄・しめ縄

注連縄ナンバーワン

注連縄の大きさ 日本一

常陸国出雲大社 拝殿 (茨城県笠間市) 
長さ:16m 重さ:6トン
※10年に一度掛替え

常陸国出雲大社HPより

宮地嶽神社 拝殿 (福岡県福津市)
長さ:11m 重さ:3トン 直径:2.6m
※毎年掛替え

宮地嶽神社 大注連縄

出雲大社 神楽殿 (島根県出雲社市)
 長さ:13.5m 重さ:4.4トン
※傷みの状態により掛替え(およそ6〜7年置き)

出雲大社 大注連縄

また五穀豊穣を祈り、「注連縄」が雲、「紙垂」が雷、「〆の子」が雨、そして注連縄の上は天界という説もあります。鈴を鳴らせばゴロゴロと雷の音に聞こえ雨乞いの儀式とも言えると聞いたことがあります。

その他の見どころ

・祭神(祀られている神様)を知る

鳥居横か、入口付近、拝殿横に祀っている神様が記されています。
神様の系統など知ったり調べるといろいろな繋がりも知れて興味深いですよ。
神社によっては1柱神だけでなく多くの神様を祀られている社もあります。
また、神様ではなく、歴史上の故人が神として崇められている神社もありますね。

2020年の年の瀬となりました。
2021年の初詣や初参拝はどちらへ行かれますか?
「テレビなどで時間差参拝を!」とか言っていますね。すごい時代となりました。

ワクチン接種が始まり、コロナネタが落ち着くのかなと思いきや、感染者は増えに増え、明日の12月28日より1月末まで全世界からの新規入国停止!(新規入国拒否!)のニュースや変異種コロナが日本上陸のニュースなどが流れています。
2021年のオリンピックはどうなることやら〜。
まさに神のみぞ知るってやつですね。

神社の見どころ ② 神社建築

高千穂ガイドブログ