SUMMIT Monte ACONCAGUA 6962m Day7

またまた寝たか寝てないかの状態で起床の4時を迎える。
あととから聞いたが、筋肉は酸素を必要とするため酸素不足だと休まらない?
寝るためにもある程度の酸素が必要とのこと。酸素と身体の関係はすごい。
でも、そんなに筋肉ムキムキじゃなけど、足りてないんだろうな。

起きて、支度を始める。
外は賑やか、何組か出発し始めていた。
キリマンジャロ登山などの高所登山ではいつも縁起担ぎで、出発前の「どんべい」を食べる

ぐるぐるぐる(@_@)またすぐトイレに行く。
水があたってる?
完全に胃か腸がやられてるな(泣)
防寒の靴下と手袋は、購入後すぐにジップロックに入れていた新品をつける。
強風の極寒を避けるため出発をギリギリまで遅くして6時。
体調は万全とは言えないが、辛さはないので、良い方だろう!

よーし、いざ山頂目指して出発だー。
時間も時間だし、数日後は満月なので月明かりも助けてくれて周りはなんとなく薄明るく足元はなんとか見える。なので、ヘッドランプは点けずに出発した。

風は時より台風なみに吹き付ける。
その度、立ち止まって耐える。時にはまっすぐ立ってられず、身体がもっていかれることもあり、膝を着いて1分ほどかがむこともあった。
止むと起き上がり進む、を繰り返した。


(木もないし、写真からでは全然わかりませね)
予定していたより時間はかかってしまいました。
人によってはこの風に耐えるべく体力を奪われ進んだ人もいるし、私は休憩しながら進んだ感じで、その分呼吸的、足取り的には楽だった。
インディペンデンス小屋へジグザグに登っていると、
ガイドらしき3人がレスキューソリに人らしきものをくるんで滑らせながら降りてくる。

重症の高山病の人を寒くないようにくるんで降りているのかと思った。
あとで聞くと心臓発作だったらしい。ご冥福をお祈りします。

インディペンデンス小屋に着いた辺りはホントに強風過ぎて、あの稜線歩いていたらこの雪渓滑り落ちるんじゃないか?という不安はよぎった。
強風で下山してきているという人はガイドらしき人に連れられてポツポツいた。「上は強風だ気をつけろ!」とすれ違った。。
進むか引き返すか?の判断まであおがれた。
とりあえずは、まだいけるよ。行こうと進む。
雪の壁の脇を一歩一歩進んだ。風は上から吹き下ろして来る。かなり強い。しかし引き返すほど体力は奪われていない。
女性は風にかなり身体を持っていかれていて、左右に振られ大変そうだ。
男もヨタヨタする。
このまま続くとヤバイなぁーと思いながらも一歩一歩そのまま進んだ。

登りで上から吹かれて、少し大変だったが、そこは登り詰め、アップダウンの少ないトラバース道に出たら、風は、上から吹き下ろしてばなく、横風になり身体振られながらも歩いた。
この強風でガイドと繋がれて歩いている人もいた。
しっかりフーフーハーハーと腹式呼吸していいるが、今のところ極度の苦しさも感じないし、頭痛もない。
よし順調順調。
その先の二股で高巻きには雪がありそう。下の道を行く。
最初はいいが、最後は上の道との合流のために蟻地獄のような砂地を直登しなければ
いけなくなった。これは下りのルートを登ってしまったかも(苦)。
ここの登りは3歩登って2歩半下がるような大変な砂地で、ここではさすがに体力かなり使い、呼吸が乱れるのを立ち止まって整えて歩いた。
立ち止まって整えたと言うと聞こえがカッコイイが、急登は苦しすぎて2~3歩続けて足をあげようものならたちまち呼吸困難で立ち止まって、フー~ハー~と呼吸しないといけないぐらい酸素薄い。
一歩一歩かなり大きな腹式呼吸をしながら登る。
なんとか、登りきる。

が、そこから先のルートも砂地の登りの連続 。
みんなのペースは落ちてくる。立ち止まる頻繁も多くなる。
下山者が増えてきてすれ違う。
もう登って降りて来てるの?と思い
すれ違う人に「Cumbre?Summit?(登頂?)」と聞くと、「NO」と回答が返ってくる。「えっ?ノー?あとちょっとじゃないの?」
みんな高山病か強風にやられてLa Creva6660m辺りで引き返して来ているみたいだった。
うちらも強風のせいだろうが、予定より時間はかなりかかってしまっている。 。標高はそろそろ6500mあたりだろう。

先にLa Creva(洞窟)と呼ばれる岩場の壁が見えてくる。
強風のせいもありかなり時間はオーバーしてしまっている。
メンバーの一人はペースが上がらず、高山病にはかかっていないみたいだが、下痢やシャリバテなどで体力はもうそんなに残ってなさそう。
6600m地点で長く休憩を取る。
すぐそこに見えるあの山頂。距離的には近いのだろうが、全然遠い(*ToT)
順調に行ってLa Crevaまで30分そこから1時間30分という。このペースだと3時間はかかる。あーまだそんなにかかるんだー(*ToT)
んー順調に言ってだもんね。
話し合いの結果、このままこのペースで登り続けても全員タイムオーバーになってしまうということで、ここにて折り返す、下山決定。
7000mや8000mはホントにすべてが簡単じゃないなー。厳しい厳しい。
メンバーも自分の体力や体調管理不足を悔やみながらしぶしぶ了解し、写真を撮って引き返す準備。
私もあーここまでかー。時間かかっちゃったもんなー。悔しいが仕方ない。
まーまた来ようと気楽に言えるとこじゃないしここ6600m が最高地点だ。
これも運命。これも実力!しょうがないね。
と自分を納得させる。

するとふと、ラファエル「TAKA-san You are still Ok right? You continue by yourself. Route is you can see」
うちらは降りるけどがんばれと言う。

てな、わけでは私はメンバーのカメラを受け取り、一人山頂を目指して歩き出す。
頑張って来ます!途中でダメになるかも知れませんが行けるとこまで行ってきます!

元気よく&勢いよく歩き出したが、すぐにペースは落ちた(苦)。
脚力的には全然大丈夫だったが、息苦しすぎてバテバテランナー並みに足がでない。
恐るべし高所。

La Creva を通り過ぎ,6700mだ。

もうフーフーハーハーでは呼吸が間に合わない。
多分皆さんがしたことないぐらいめちゃめちゃ息を吐き出し、おもいっきり吸い込む呼吸法を必死にする。
信じられないでしょうけど、足は1歩出したら1〜2秒止まって呼吸して、そして次の足を出す。それでも全然苦しい。
ただ頭痛とか吐き気は全くないので、希望はまだ残っていると信じ足を出し続ける。
こんなに足が出ないのは,中学の頃の部活(サッカー部)で学校横の団地に繋がる階段を何度もダッシュで駆け上がらされた時の最後の1本以来かも知れない。ただその時は身体や足の疲れで登れない。今は身体は疲れてないけど酸素不足で身体が動かない。
肺の空気をこれでもかッ!っていうほど一気に吐き出して,呼吸をして、そして重い一歩一歩を頑張る。遠いが前に3人〜4人登っている人が見える。かなり遅いペースに見えるが追いつかない。
コレラキャンプにいた80人ぐらいの他の登山者はみな登頂を断念して降りたのだろうか?
振り返るが誰も後ろから登ってくる人もいたはずだがいない。

6800m越えてきたいただろう。強風で、休憩を取る。
コカコーラと行動食のコモパンを出す。
コカコーラでドーピングだー(笑)
パンはしっかり凍っている。もちろんコーラもシャカシャカに凍っていた。まじーかー( ̄∇ ̄*)ゞ
とにかくエネルギーをいれないと、パンにかじりつき、口を開けてコーラを降ってみる。
座っていても呼吸困難(苦)ハーハー
口呼吸するから口や喉が渇く。

気合いを入れてさらに上を目指す。完全に酸欠だろう手先がしびれてくる。
もう腹式呼吸が自分の中では音楽みたいになっていていつも同じリズムと言うかテンポで吐いて吸ってしている。
これ今気づいたけど,だいたい普通の人間が7000m付近に無酸素で来ちゃー
ダメよーダメダメ!ですよね(笑)
ほぼ自分でボケて自分でツッコミながら歩く。
山頂直下まで来た。もうあと10m?
この上が山頂のばずだ!

岩場の登りだが,歩く以上の大きな動作はさらなる酸欠を誘う。
膝より高く足をあげるには5秒ほど呼吸を整えて足をあげる。そのあと乱れた呼吸の回復にさらに5秒かかる。それもすごく吐いて掃除機並みに吸う。
もう再現出来ないが,ホントに大変であった。
最後は巻き道だったみたいだが,直登で壁をよじ登ってしまった。余計疲れた。
這いつくばるように山頂に出る。

(↑↑よく撮ったでしょ!)
山頂の十字架が見えた!
やったー着いた〜!!!!!!!ヾ(´∇`)ノ゙
17時10分
南米最高峰・アコンカグア峰の頂6962m
登頂しましたー!
南半球最高峰でもある。
ふと思うと今は無風である。
コングラッチュレーショーン!山頂の4人から祝福を受ける。グラシャス❗サンキュー!

オーバーの手袋ミトンを取っても寒くない。酸欠で手先の毛細血管まで酸素が行ってないのであろう。なんとなくしびれている




「この南米大陸でここより高いとこはなーい!」
いつも富士山登って「この日本でここより高いとこはなーい!」といつも言ってた(笑)
ここは倍ぐらい高い。
写真を撮りまくって下山。
下山でも高山病になり得るので,慎重にまたがっつり腹式呼吸しながらゆっくり下るが,登りの10倍の早さはあるだろう(笑)
どんどんガンガン下る。



夕暮れ時の20時30分ごろにコレラキャンプに降りて来る。
テント少なっ。みんなもー降りた?
コレラキャンプにて、みんなに歓迎されるかと思いきや,事故が起こっていた。
テントが8張ほど朝方や日中の強風でポールなど折れて、吹き飛ばされていたみたいだ。
私のテントも飛ばされていたうちの1つだった。
テントの残骸がまるめてシェルター前においてあった。
えーなんたる悲劇(泣)
中に入れていた装備品がいくつか無くなっていた。取られたのか,吹き飛んだのか分からない。
すでにシェルターには9人ぐらいが寝袋に入ってギュウギュウ状態。
私の寝袋も盗まれかけていたのをメンバーが取り返して来てくれていたみたいだ。ありがとうございましたー。
寝袋は、Japaneseブランド「ISUKA」だったので、取り返せたらしい。見つかって助かった。
何がなにかわかないまま、日暮れの時間帯ということもあり、何もせず、食べず、無理矢理寝袋片手にシェルターに押し込まれ、ぐいぐいと寝袋に入り寝る事に。
さすがに過去2日間寝れてなく、今日12〜13時間ぐらい行動して疲れ果てていたので,オーバージャケットもパンツも履いたまま,そんな状況でもぐっすり寝てた。
我ながらアッパレ(笑)

大変お疲れ様でした(笑)
登頂や無事を祈ってくれていた皆さんホントにありがとうございました。

無事に南米最高峰アコンカグア6962mに登頂出来ました。
これで、七大陸最高峰4座目です。

ガタガタガタガタ~
深夜、かなりの強風吹いていました。

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