3時すぎに起きると、窓の外にはまぶしい光が!
日の出!ではなく雪上車が何台か強いライトを点けて走行している。
天気は雪は降ってなさそうだが,完全に曇り&ガス模様。
「んー登山出来る?出来ない?微妙な天気だなー。」
「ドブロウートラ!(おはよう)」と同部屋のメンバーに声をかけて起き始める。
昨日に引き続き今日なのでメンバーの準備の仕方やかかる時間など、昨日のようなパニックにはなっていない。しかし、もたつきが見られるのかガイドがちっとしたところ手伝っていた。
朝食を食べて,雪上車に乗込みいざ出発!
昨日と同じドライバーだ。手を運転席に挙げて挨拶して荷台に乗込む。
ガタガタガタと動き始める。
昨日と違うのは,すでに結構な轍が着いていて確実に登っている人たちがいるなと分かる。
しばらく登ると,2時3時に小屋から歩きで,出発したであろうグループたちを抜去る。
また、数台の雪上車が上から降りてきたり、
日中は雪上車の他にスノーモービルの走行が見られるが,この深夜はやはり雪上車利用のみみたいだ。
風は強くないがかなり冷たい&寒い。
昨日の5100mポイントまで一気に上がる。
かなりガスっていて不安がよぎる。ルート上の目印のポールがまた見えない?
と心配したが,すでに雪の上には足跡&ルートがあった。
よっしゃー、挑戦出来る!
条件付きではありますが,頑張りましょう!
勾配のキツい登りを一歩一歩ステップを切って行く。1時間30分ほど登ると,急な登りから道が斜面をトラバース(急な斜面を横切る感じ)になる。ずーとガスっていてどこを歩いているのかさえ分からないほど。
そこから40〜50分ほど歩いて東峰と西峰の鞍部辺りに来ただろうか?
足場も安定してきて小休止を取る。ここまで視界不良や強風の関係でまともな休み取れず。
完全なるホワイトアウトで全然見えないし分からない。その後また急登が始まり一歩一歩前の人の踏み後にステップを入れる。道迷いまたは道失い的な人たちが前で停滞している。
ウチのグループに道を譲り後を着いて来る。さらに2時間近く歩いただろうか,フィックスロープ(急な斜面のためこのロープに捕まって歩いたり、また自分とロープを結んだりと足を滑らしたりしても下に滑落しないための安全ロープ)が3段階で出て来る。
ここらへんからメンバーの疲れもマックスになってくる。一歩一歩頑張って登っているが,体力消耗から所々立ち止まり呼吸を整えたりが増える。ガイドから「立ち止まるな!足を出せー」と怒鳴られる。さすがロシア人ガイド甘い言葉なんか言わない。
メンバーも最初は頑張るがいよいよ立ち止まりが増え、「動けー停まるな〜」と叱咤激励。
メンバーは日本語で弱音を吐く。ガイドは「WHAT?(何?て言ってるんだ?)」と私に質問してるが,そんな弱音を直訳すると「もー降りるか?」と言われるに決まっているから,あえて何も言わない。
とにかくガス(霧)が深すぎて何も見えない。
私は2重の登山靴なのに、つま先の感覚がなくなってきた。手は3重に手袋をしているのに指先が冷たくなっていて、グーパーグーパーと動かすとなんとか感覚が戻って来るが,少ししたらまた冷たくなるのでそれを繰り返しながら歩く。
ロープ場を登りきると多くの人がいた。なんかちょっと時間的に早い気もするけど,山頂?と思ったが,山頂部では有るが,山頂のポイントではないみたく、ここから1時間近くアップダウンは少ないがひたすら突き進む。目印のポールは先にも先にもあるっていうことは山頂はまだ先(苦)。
メンバーは道は平になっているが足元がフラフラ&よく停まる。前方からグループが登頂終えて下山して来て、「Its not far!! もう近いよー」と声をかけてくれる。休憩が少なく,スタミナ切れに近い状態だったメンバーリアクションは薄い(笑)。それでも,頑張って停まるけどしばらくして歩きだすを繰り返す。
そうしていると、突如目の前のガスが晴れ、こんもりした山頂と山頂に人が立っているのが見える。
このタイミングで,ガスが晴れるなんてスゴすぎる!
さっき登頂して下山して行ったグループは何も見えない中山頂に立って写真を撮っていったとすれば、このタイミングはホントに奇跡に近いっていうか奇跡だー。神様〜ありがとう!
最後1歩1歩登り・・・・山頂に到着!
「お疲れさま&おめでとうございまーす。エルブルース登頂でーす!」
眼下にコーカサスの山々が見える。このタイミングでこの景色は,ホントに鳥肌たつ興奮でした。
タイムリミットは7時間だったが,5時間ほどで登れ,ホントに良かったー。
風は強く寒いので長くは滞在出来ず,写真数枚撮影後下山。
下りは歩いてきたルートや眼下の展望を楽しみながら歩いた。
こんなに登っていた?歩いていた?というぐらい下りました。
登りも下りもテクニカルな箇所は無く、ピッケルが良いが,天候や雪質によってはダブルストックで全然行けます。
下山に思ったより時間がかかったが、15時15分に小屋に着き,荷物の整理をバタバタして、スタッフや料理人に登頂報告と感謝の挨拶をして約束の16時に間に合いました!
チェアーリフト乗り,ゴンドラを乗り継ぎ無事に降りました。
車でホテルへ。
ずーと標高は富士山以上の3800mにいたので汗をかくこともそうなく,比較的快適だったけど,2200の麓に降りてくると気温も高い。チェックイン後は,まず!しっかりシャワーですべて2度洗いして〜(笑)
さわやかーキラ*。・+(*゚∀゚*)+・。*キラ
ホテル周辺のマーケットをぶらぶら。
夕食は外のレストランにてシシカバブー!
ガブガブ美味しかった〜。
いやー、天候や山の状況で登れないのは不可抗力で仕方ないことではあるが、やはりなーんとなく腑に落ちない気分があったので、最後の最後のチャンスと粘りで挑戦出来てホントに良かった〜。
メンバーも大喜び。
それにしても晴れ男ぶりが今回もギリギリ皮一枚で継続中(笑)
高千穂エルブルース.com